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去勢手術

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今日のブログのテーマは、去勢手術です。

去勢手術は男の子の睾丸を取る術式になります。色々なメリットがありますので検討されているのであれば、若いうちに実施することをお勧めいたします。
タイミングとしては、猫も犬も6ヶ月以降でしっかり睾丸が袋の中にあることが望ましいです。(性成熟は犬で6-8カ月、猫で6-15ヶ月)
今回はメリットとデメリットで比較してみます。

メリット
①ホルモンによって発生する行動を抑制することができる。
具体的には、立ちしょん、腰振り行動や猫ではマーキング(スプレー行為)を抑制する効果があげられます。これらの行為は男性ホルモンによることが示唆されており、性成熟とともに男の子らしく体や心に変化をもたらすことでこのような行動をすることが知られています。つまり、性成熟が完了する前に去勢手術を実施することができれば、この行動を覚える可能性は減ります。(残念ながらなくなることはありません。)

②病気の予防や治療になる
睾丸は先ほど書きましたように男性ホルモンを産生している場所です。おじいちゃんになった犬や猫では、男性ホルモンの長期的な影響で前立腺の腫れに伴うトラブルや肛門周囲の出来物などが発生するトラブルが報告されております。これらのトラブルは去勢手術などで改善することが報告されておりますので、子供を取りたいという希望がなければ早期の手術をする方が望ましいです。
また、精巣が袋(陰嚢)に降りてこない先天性の問題もあります。精巣が降りない状態を維持すると、高齢になった際に睾丸が腫瘍化するリスクが高いことが報告されており、こちらの場合も手術を早めにすることが望ましいです。(お腹の中に睾丸がある場合、陰嚢内にある睾丸と比べ温度が高い状態で維持されるので精巣に負担がかかり腫瘍化しやすいようです。)

③望まない繁殖を避ける
特に外猫ちゃんだと思いますが、事前にそのようなリスクが避けれるのであれば避けることが良いと思います。

この辺りがメリットになります。では、デメリットはどのような物があるかというと、
①麻酔リスク
やはり麻酔の薬が合わない等で麻酔深度が安定しない場合もごくまれにあります。現在の獣医医療では麻酔が進歩しており、麻酔事故はかなり減っておりますが、実際避けることができない部分ではありますので、当院では健康状態を確認したうえで慎重に麻酔管理に入っております。もし、少しでも気になることがありましたらスタッフまでご相談ください。

②ホルモンの副作用
睾丸を取ることで今まで産生されていたホルモンが無くなります。そのため、去勢手術を実施することは太りやすい体質を獲得してしまうのです。少し細かく言うと、体にあるエネルギーを利用し睾丸でホルモンを産生、男性化するというエネルギーの流れがありますので、去勢をするとエネルギーが余分になってしまいます。この結果、エネルギーは脂肪となり体重の増加となってしまうのです。去勢手術以降は、体重の変化が出やすいので食餌量やフードを前もって検討しておくことが望ましいです。

まとめと余談
手術は麻酔下になります。当然ですが、若くて健康な子と高齢のおじいちゃんでは麻酔のリスクは違います。いつでも手術ができるのであれば獣医師も、極力麻酔リスクが少ないタイミングで実施することを勧めます。

また、この6ヶ月頃というのは乳歯の生え変わりも当てはまります。特にチワワなど超小型犬に多いのですが、乳歯が大量に残ることがあります。乳歯が残ることで大人の歯の萌出(生えてくる)方向を邪魔してしまったり、齲歯(虫歯)を起こしやすくなるため、当院では去勢手術のタイミングは可能であれば乳歯の生え変わるタイミングにあわせて相談させて頂いております。(場合により、乳歯抜歯や簡易矯正をする場合もあります)

そのた、いろいろな状況がありますので、去勢手術をお考えの方はまずはご相談ください。
2022年07月22日 19:00

吉尾動物病院

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